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2003/10/06-2011/10/06更新

ウィーンの建築と石灰岩

ヨーロッパは石灰のプレートの上に乗っている。当たらずとも遠からずと言えるこの言葉は、アルプス造山運動(日)を根拠としてます。

建築資材としての石灰岩

石灰岩はヨーロッパ中、特にアルプス造山運動の影響を受けた土地で取れる石です。石灰岩は硬い石として知られ、ヨーロッパでは建築資材として、古代の大きな建造物や中世の教会建築、ドイツルネサンスの宮殿、バッロック宮殿の枠などヨーロッパの歴史建造物に使われてきました。

大理石(結晶質石灰岩)

その他、石灰岩が地下で熱変成作用を受けて炭酸カルシウムが再結晶し、方解石の結晶構造を成長させた岩石が結晶質石灰岩(大理石)です。石灰岩のように硬度が無く構造を支える建築資材には不向きですが、加工が楽なため彫刻に使われたり、磨いて艶を出し建築の表面化粧に使われたりします。

オーストリアではザルツブルクあたりのウンタースベルク山(独)で赤い肉模様の大理石が取れるため、このウンタースベルガー大理石が様々な建築物などに使われてます。

石灰岩の雨による変質

石灰岩は水で溶解します。水を浸透させる石灰岩に最近の酸性雨が当たると、表面の変化だけでなく内部での溶解が進み、強度と重量が落ちます。ドイツゴシック様式の教会は、長かったロマネスク時代の影響が残り、外壁を支える飛び梁がありません。壁の厚みが薄く、外へ向かう建物の重量を、外壁の上に置かれた多くの彫刻群で押さえこんでます。雨によって彫刻が軽くなると、新しく作った彫刻に取り替える必要があるそうです。

引っ越しでガイド学校時代の石灰岩と水の化学式メモが出てきました。

授業の内容は『適度に水の当たる外壁などは黒く変化するが、多量に水の当たる所は白くなる。黒く変化した石灰岩の壁面に白い模様が認められるのはこのため』との内容でした。しかし、メモを取る前に教官が黒板の化学式を消してしまい、仲間達の取ったメモを集めたのが下記です。

識者の方掲示板へお願いします。m(__)m ガイド学校のこの授業で理解できたことは、石灰岩の水による色の変化だけでした。

石灰岩の生成

水酸化カルシウム/Ca(OH)2と二酸化炭素/CO2の反応で炭酸カルシウム(石灰岩)/CaCO3ができる。
Ca(OH)2 + CO2 ⇒ CaCO3 + H2O

CaCO3 + O2 CaO + CO2    
  CaO + 2H2O ⇒ Ca(OH)2  
    Ca(OH)2 + CO2 CaCO3 + H2O

石灰岩関連の化学変化について

わかるところまで自分で調べました。

グーグル ⇒カルシウム(日)

グーグル ⇒「CaCo3 は」検索(日)

CaCO3/炭酸カルシウム(石灰岩)
O23/酸素
H2O/水
CO2/二酸化炭素
CaO/酸化カルシウム(生石灰)
Ca(OH)2/水酸化カルシウム(消石灰)

熱による消石灰の生成

炭酸カルシウム/CaCO3は900℃以上の加熱により酸化カルシウムと二酸化炭素に分解。
CaCO3 ⇒ CaO(消石灰) + CO2

バジリカ建築、ロマネスク様式、ゴシック様式

バジリカ様式(日)とは元々は古代ローマ帝国時代に作られた前庭付きの集会施設などに使われた建築様式だそうです。

ヨーロッパ中世時代は暗黒の時代と言われ、キリスト教カトリックが浸透してゆき、多くの教会が建築されました。最初は木造だった教会が石造建築になると、ローマ風と言われたロマネスク様式、さらにゴート式と言われたゴシック様式へと変化してゆきます。

ゴシックの建築様式はフランスで生まれゲルマン系の国へ浸透したことから、ドイツ語圏のゴシック様式はフランスよりも遅れて独自の発展をします。オーストリアも含めてドイツ語圏はロマネスク時代が長かった影響からドイツゴシックの教会はどちらかといえばロマネスクの影響が残るズングリムックリ形で、飛び梁が無く、塔が高いことも特徴です。

ヨーロッパのゴシック様式の教会で高い塔を持った教会は、ドイツのウルム、ドイツのケルン、オーストリア・ウィーンのシュテファン大聖堂といずれもゲルマン圏の教会です。これらの都市が川の脇に位置し交易で栄えた都市であるのも興味深いことです。

また、イタリアはローマの国ですから建築史はロマネスク様式から直接ルネサンス様式へと向かいます。イタリアのゴシック建築は数少ないのですが、ミラノなどは代表的なもので、外から見た形がロマネスク風でゴシック建築の特徴である高い塔がありません。

フランスでは有名なゴシック様式の教会が「飛び梁」を持つのに比べてドイツゴシックは「飛び梁」がありません。巨大な構造を支えるのは外壁壁から外へ直角に張り出た「袖壁」と多くの石の飾りの重量です。

ロマネスク建築に見られるバジリカ様式は、身廊が高くその両脇の側廊が低く、落差を利用して身廊上方壁面に明かり窓が設けられているのが特徴です。建築構造としては、ゴシック様式の「飛び梁」の役目を担っているのが側廊ということになります。

高崎守弘